日々映画

映画を観て感じたこと

「神聖なる一族24人の娘たち」 アレクセイフェドルチェンコ(2016)

ロシアの一部で、独特の文化を持つマリ・エル共和国。

その地で生まれた美しく、不思議な女性たちの人生の物語。

これ予告編から本当に素晴らしいので、是非覗いて見てほしい。

 

youtu.be

 

ひとつひとつの物語はかなり短いものの、

そこに描かれているのは色々なかたちをした愛と、性と、人生である。

 

クスッとしてしまうところも、切ないところも、不思議なところも全てがひとつの物語になる、そんな感じ。

 

それぞれの色をまとった物語はどれも印象的で、愛おしい。

出てくる女性たちは可愛らしくて、どこか不思議。

この国の自然も見どころのひとつだと思う。

 

 

余談だけれどこの映画、個人的にかなり思い出深い。

 

まだ東京の全てが新鮮だった冬の日、

周りの空気はぴんと冷たくて、

わたしはその寒さと寂しさを纏って、

ひとりで、表参道の小さな映画館にこの映画を観に行った。

そしたらびっくりするくらい良くて、新鮮で、灰色だった頭のなかはこの映画でいっぱいになった。

なんだか嬉しくなってきて、帰り道のコンビニでコーヒーを買い、それを片手に夜の、人の行き交う青山通りを歩いた。

本当にそれだけなんだけど、これがなんかすごい印象的で、ありえないくらい鮮明にこのときのことを思い出せる。着てたニットとか、映画館で前に座ってた人のベージュのコートとか。

この映画のことを思い出すと、この日と、その前後の出来事が頭を巡る。

 

そうそう、音楽も良かった。

生きているって綺麗だと思った。