「聖者の谷」ムサ・サシード(2012)
インド、カシミール地方からの一本。広がる山脈に湖。湖上で交わされる静かで貧相な生活。聞こえるのは小さなボートの、水を掻く音。インド映画とは思えないほど静かで神聖。
「父は言った
『ここは聖者の谷だ』と
僕は感謝した」
このフレーズが印象的。白く広がる風景がとにかく綺麗。
音楽も良い。とても良かった。(映画館で観たかった…)
貧しさって一体何だろう。
山に囲まれた湖上で静かに、大事な家族や友人と毎日精一杯に暮らす日々。たしかにモノやお金はそこには無い。ならばそこにあるのは、本当に貧しさなのだろうか?
その土地と生活を、貧しいと言う権利なんて本当は誰にもないのかもしれない。