「霧の中の風景」テオ・アンゲロプロス
テオの映画で一番好き。
美しいロードムービー。
ストーリーは至ってシンプル。父親に会うため家出した姉と弟。ふたりの危なかしくて美しい旅、人々との出会いが描かれる。
よくあるロードムービーの流れを捉えつつ、画面に釘付けになるような、静かで冷たく、美しい映像で描かれるふたり。
はっとするような残酷なシーンもあり、激しい起承転結ではなくとも、印象に残るシーンも多い。
美しい数々の映像のなかで、個人的に残っているのは比較的冒頭の方、ギリシャでの雪のシーンだったりする。
また、このふたりの演技も素晴らしい。
セリフは少ない。
子供らしい感情を内に秘め、だけどそれを言葉にはしない、絶妙な雰囲気。見事。
何かの評論で、映画に出てくる最も渋い子供、と称されていたけど頷ける。笑
テオ作品、最初に観るならこれがおススメ。