日々映画

映画を観て感じたこと

「不思議惑星キン・ザ・ザ」ゲオルギー・ダネリヤ

すごく好き。何回でも観たい映画。

 

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オカルト界の代表映画とも、サブカルチャーのど真ん中とも言える一本だろう。

公開当時のソ連では驚異の1570万人を動員し、今でもこの映画のフレーズはロシア国民の間でネタとして扱われるほどの人気らしい。

さらに1986年に制作されてから今に至るまで、類似作が一切ないという伝説の新ジャンルSF映画でもある。

日本だと知名度あんまりないのかな?

 

ロシア(当時ソ連)に迷い込んでしまった異星人のおかげで、不思議な惑星に時空移動してしまった「おじさん」と若い「バイオリン弾き(実は弾けない)」が力を合わせて地球に帰ろうとするという話。

この不思議惑星、癖が強い。

言語や意思疎通は「クー」という音のみ。

思考が読めたり、以外にも階級社会だったりといろいろと良く分からない世界になっている。

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しかし綺麗で薄い色彩と、計算され尽くした広い構図は本当に素晴らしい。

 

映像のタッチや引きの構図、無機質な建物はタルコフスキーをはじめとした、まさに"ロシア映画"といった感じなのだが、物語は淡々と、意外にもテンポ良く進んでいく。

間は少なく、ロイアンダーソンとかに近いかも。

 

しかしこれ、かなり変だ。

しかもその変さが、ソラリスはもちろんSF以外でも、どの映画とも、被らない。

 

シュールさがうまく面白みと融合し、クスッと笑う場面もかなり多い。

なんだかんだ最後まで目が離せず、観終わった後に残るのは心地よさ。

 

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まさに、"こんな映画、はじめて"という感じ。

ロシア映画の雰囲気が得意ではない人でも楽しく観れると思う。