日々映画

映画を観て感じたこと

「道中の点検」アレクセイ・ゲルマン(1987)

「神々のたそがれ」のアレクセイゲルマン、初期作品。

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ソ連パルチザン(侵略に抵抗し、自国を守ろうとする非公式軍隊のこと)の物語。

ナチスドイツの占領下であった1940年代初期のソ連
あるソ連軍の兵士はドイツ軍に捕らえられ、敵軍に寝返っていた。あるとき彼は自ら現地のパルチザンに逃げ込み、国に戻ってくる。

恥ずかしながらパルチザンの知識が薄かった為、軽く調べてからの鑑賞。

戦争映画そのもの、でありながらそこで描かれるのは友情と信頼、人と人との、目には見えない関わり方だ。

男たちはガタイが良くて、どことなく暗い。無口で、芯が強くて、だけど人思いで冷酷さとはほど遠く、いかにもロシアの民兵という感じ。

映画で観る、こういうロシア人の雰囲気かすごく好き。

さすがのアレクセイゲルマンで、初期作品とはいえ映像センスが素晴らしい。

ロシアの冬という真っ白な世界を、戦争と融合させた目が離せない映像が垣間見れる。

モノクロ映画の雪は良いなあ。

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これを書いていて思ったんだけど、映画って目に見えないものを描いてるんだよね。

もちろん絵や写真、ほかの芸術もバックストーリー、色々な思いがあってこその作品だけれど、目に見えて、実際そこにある。
だけど映画は目に見えないものがメインというか、そこに流れる空気とか、感情とか、人と人との関係性とか、人生とか、そういう見えないものが主体となって、はじめて映像化されている。

映画のレビューを書くようになって、このことに始めて気がついた。

最後に余談だけど、パルチザンの若い兵士、容姿端麗で演技も何か惹きつけるものがあって、良いなあとか思ってたらタルコフスキーの「僕の村は戦場だった」のイワンだった…!たしかに面影がある!!笑